髪を切った人に
髪切ったね
と言い合える間柄ってなかなかいいです。
なぜなら僕は髪を切りました。
思えば中学の頃。
女性スタッフしかいないという美容院を見つけて友達を誘って行きました。
当時は中田英寿最盛期でした。
僕と友達は
二人で中田カットにしようぜ
と言い合ったのです。
そして二人でそれぞれ中田の載ってる雑誌を持って美女達が待つ美容院へ行きました。
シャンプーも終り、鏡の前に座ると、
巨乳美女が
今日はどんな感じに?
と聞いてきました。
ちなみに中学の時の僕ときたらサラサラヘアーが代名詞のようなナイスガイだったのだけれど、中田はもう短髪も短髪でした。
隣では、友達(そいつも坊っちゃん刈りだったくせに)が中田の写真を見せてすでにカットが始まっていました。
僕は、当時からヘタレで、しかも自意識も、もうすごいことになっていたので
中田の写真なんか見せたら、恥ずかしいぜ
と思いました。
そして僕は、その
どんなカットか聞かれた瞬間にページをめくり
近くにあった草剪剛(髪長め)の写真を見せたのです。
そうです。僕はギリギリのところで友達を裏切ったのです。
その時中田カットにした友達は
僕よりも
収入も倍、会社なんか一万倍、セックスの経験人数も百倍、体も二倍、話せる言葉も二倍。
人とって一体どこでこんなに差がつくのですか。
でも彼は今もまだ当時の中田カットなのです。