みんなの新居が決まりはじめ僕は一層取り残された感を味わっています。
とりあえず就職は決まってないけどアパートを引き払って上京でもするか
と
きっと僕はすごい男だからそのうちすごいことでもしちゃうんじゃないかな、と志は大きく。
でも、大体の人はこれを志と呼びません。
そんな僕は今ふとモデルとゆーものに興味を持ちました。
身長は高いし、スタイルもいいし、顔の作りも非の打ちどころがない。
おまけに頭脳明晰ときました。
後は小顔ブームが去って大顔ブームが来れば間違いなく僕を雑誌で目にしない日はなくなるんじゃないかな。
ライフカードのゲリラ的なCMも僕に話が来るだろうし、モデルとゆー職種の垣根を飛び越えて恋愛ドラマに引っ張りダコ。
無論、コメディタッチのドラマを行けますよ、と俳優業にも精を出します。
100年後くらいには大河ドラマ「千葉耕平~平成を生きた最後の天才」が大河ドラマでは空前の大ヒット。
あ、今部屋のストーブの灯油が切れました。
現実ってやつは本当にツラい。
多分この世の中で現実を見てる奴なんてほんの一握りしかいないんです。
ちょうど僕が高校生の時、いつも遊んでいた友達がその日はやたら元気がありませんでした。
おい、一体どうしたっていうんだい?
いや、ちょっと現実ってやつを見てみようかなって思ったら、この通りさ。無様だろ
現実ってのはそんなにツラいのかい?
もうツラいってもんじゃないよ、俺なんて五分も現実を見てられなかったんだぜ。
じゃあ俺もちょっと現実を見てみようかな。
やめとけよ、悪いことは言わないから現実だけはやめとけ。
大丈夫だよ、たかが現実だろ。
現実をなめるな!
その時僕は友達が止めてくれるのも構わずチラッと現実の方を見てしまいました。
当時の僕はメンタル面に多少難があったので、ほんの数秒現実を見ただけで打ちのめされてしまいました。
その後、もう一人友達が来たのですが、その友達には現実だけは見るな、と必死に止めたので大事には至りませんでした。
要は現実の方を見たらもう大抵の人間は打ちのめされます。
もうそこにはこれっぽっちだって希望がないのですから。
だからさっきまでの僕のように志を持つことなんてもっての他です。
僕は将来間違いなくハゲるし、食べ物がないのに太る、このまま就職も決まらないし、毎日誰かが捨てた新聞を読んで。
ちょっとお金がある時はネットカフェに行って一日中Wikipediaの編集作業に没頭します。
あーこれだから現実ってやつは。
早く内定くれないかな。